私は美大の予備校に通っていました。
その当時、油絵を描いていたのですが、道具を一式そろえた時の感動を今でも覚えています。
自分専用の道具、愛しくて愛しくて手入れをするのも苦ではありませんでした。
油絵の絵筆は毎日お手入れをしないとすぐカピカピになってしまいます。
毎日、筆洗液で洗った後、石鹸で洗いました。
私と同じように道具を愛してやまない同級生は筆洗液で洗った後、石鹸で洗い、さらには人間用のシャンプーで洗い、おまけにリンスで仕上げをしている子がいました。
気持ちはわかりますが、私には毎日そんなことをすることはできませんでした。
その子はシャンプーやリンスのメーカーを変えたりしながら自分の絵筆を洗っていました。
その子は少し変わっている子で私がお土産にもらった外国の飴をあげた時、食べたとたん「ブーッ!」っと吹き出しました。どうやらまずかったらしく(私は自分では食べないうちだったので味を知りませんでした・・・)「ごめん、まずかった?」と私が聞いたら残りの飴をわしづかみにして「みんなにたべさせてやる!」と言って走って行きました。